*お向かい彼氏*











「うぅっ…そんなの…」











泣きじゃくるあたしにタケ兄がティッシュを渡す。










「…頭冷やせ。ひかるはあいつを幸せに出来んのかよ」









…え?







あたしが…巧を…



幸せに…?














タケ兄の言葉は重くあたしにのしかかった。









考えても


考えても



どれが正解かわからない…





そんなうわの空のあたしを巧はずっと心配していた。






「ひかる?大丈夫か?」




「え…あぁ、ごめん聞いてなかった。なに?」






巧の部屋で勉強しながら会話する。






「だから、ひかるは志望校どうすんだ?」




「巧は…?」





「俺はK大かな。昔から弁護士目指してるから。」







弁護士…



そんな大きな夢を持った巧。







あなたの想像する未来にあたしはいちゃいけない。







「ひかるならK大も狙えるだろ?一緒にしねぇ…?」









「…まだ決めきれないから考えとくね。」