*お向かい彼氏*






良いけどね…


どうせ半年の我慢だし。





かなりの疲労を感じながらキッチンに立ち夕飯を作る。




タケ兄と決めたことは



・平日の家事と料理は基本的にあたし

・ゴミだしと休日の家事はタケ兄

・夕飯は出来るだけ一緒に




ということ。



今日はタケ兄のリクエストでハンバーグ。久しぶりに作った…。






タケ兄は、エリート商社マン。



エリートって言葉がすごい似合わないけど。





だからこんな稼いでんだよねー…





パンパンと生地を空気を抜いてからちょっと休憩。





「…やってけんのかな。」






これからこの環境で受験に臨まなきゃいけない。





友達も1人もいない…





相談出来るのはアキ姉とタケ兄だけ。










自分で選んだ道だけど






ちょっとだけ、後悔した。













「ただいまー」




「おかえりっ!」







スーツ姿のタケ兄を玄関でお出迎え。






「ははっ、なんか新婚みたいだな」




「ね、ただいまのキスでもしちゃう?」









タケ兄は笑ってからあたしの頭を撫でる。






「顔、疲れてんな。飯食べながら話せ」







う…


やっぱり、お兄ちゃんだね。