加藤竜と話したのは、
これっきりだと思った。

話せただけで、その日は
テンションが上がった。

それから何週間くらいか経ったある日、
総合でコミュニケーションゲームを
やってる時だった。

「夏希..?」
「えっ、はいぃ!!!」

誰かが呼んでいたので
勢いよく振り返った。

そこには加藤竜がいた。

「おおっ、俺お前と同じ塾行くかも」
「・・・えっ?」
「だから!!俺お前と同じ塾行くかも!」
「あっ、そそそそーなんだあ。
 よろっ..よろしくね」
「おお」

同じ塾に・・・?
加藤竜が?

顔が自然にニヤけてくる。
今きっとわたし、すごく変な顔かも。