もちろん竜より慶を好きになれる
自信なんてまったく無かった。

ただこの時は心のどこかで
“誰でもいいから彼氏欲しい”って
思ってたのかもしれない。
わたしってなんて最悪な女なんだろう

「慶、さっきの返事!
よろしくお願いします!!」
「まじか!ありがとう!!
・・・明日、一緒に帰れる?」

好きでもない人と一緒に・・・?
帰れるのかな・・・・・・?

「わっ、わかった!!おっけ、
そこの十字路で待ち合わせで・・・」

こうしてわたしの初彼氏は
慶という好きでもない人になった。

竜より好きになれるなんて
思ったのが間違いだったんだー・・・
«無理だ»・・・って
«ごめんなさい»って・・・
あの時言えてたらどれだけ
今が楽だったんだろう...。