「さて生徒の皆さん!こんにちは!!
1年間この組を担任させていただきます、
山本といいます!」

4組の担任は女の先生で
お世辞にも痩せてるとは言えない体型だった

「入学式のときは一人一人の
名前が呼ばれます。大きな声で
返事をしてくださいね!!
はい、じゃあ体育館に行くので、
名簿順に廊下に並んで!」

一人一人の名前が、呼ばれる?
って事は、[加藤]くんの事も
見れるのかな!!

「ー・・・以上1組37名。」
1組の[加藤]くんは幼稚園が一緒
だったので、見覚えがあった。

「ー・・・岡崎日和」「はい」

岡崎・・・名簿順だから、次あたりかな

「ー・・加藤竜・・」「はい!」

その顔を見てハッとした。
ー«この人が、佐田の言ってた加藤»ー

なんとなくだけど、わたしの
勘がそう言った。

わたしはその“加藤竜”に
一目惚れしてしまった

・・・

入学式が終わって、わたしはそれから
毎日と言っていいほど、
加藤竜がいる2組へ遊びに行った。
ちょうど2組には小学校のイツメンが
いたので、ついでに加藤竜も見に行く
感じだった。

2組から4組に帰る時、
3組の男子に毎回言われたことがある

「えっ、噂の高山?可愛い~ね」

噂?一体、3組でのわたしは
どうなっているんだろう。

ちょうど3組は佐田のいるクラスだった。
佐田は

「夏希、モテモテじゃん!!」
と言ってきた。

「うっさい!」
「照れんなよ顔赤いぞ?」
「別にモテてもモテてなくても
いーけどさあ、
わたし聞きたい事あるんだよね」
「どーしたん」
「噂のって何?」
「ああ、それかあ。んとねー」

佐田が言うには、
小学校のときよく遊んでいた
春奈がある男子にわたしとの
プリを見せたのがきっかけ。
それから3組の男子に
“高山可愛い”っていうのが
できあがっていたらしい。

勝手にイメージ立てられても
困るんですけどね。