「夏希・・・ちょっとここ、出ない?」
麻理が震えた声でそう言った。
「うん、ここ出よう。」
私達はショッピングセンターから出て、
静かな公園に行った。
「夏希・・・聞いて、くれる?」
「うん、聞くよ・・・!!」
麻理が話してくれたのは、
わたしが知らない、小学校の時の
直樹との思い出。
元々麻理と直樹は幼なじみで
園児の頃から家が近くて
よく遊んでいたらしい
麻理は小学4年生から付き合ってた
海斗と別れて、小学6年生のときは
すでに両思いだった。
そして小6の冬、直樹が麻理に告白した。
『中学生になったら、付き合ってください』って。
麻理は泣いて喜んだ。
そして中学に入り、麻理と直樹は付き合った。
だけどその二人に進展はなく、
別れた。
それが麻理が話してくれた
直樹との思い出だった。
「麻理・・・・泣かないで・・・?」
麻理はボロボロと涙を流していた。
よほど辛かったんだと思う。
