「ばれたら、裏切ることになるんだよ?例え敵でもそれは…」


「まあ、そう真剣に考えずに入ってみたらどうだ?」


「え、酒井さん?」


少し驚いてそちらを向く。


「俺の代の幹部に浩太っていたろ?」


頷く私たち。


「あいつも、一回炎龍の幹部になってるんだ。


留学気分で一年だけ幹部やって、龍隊に帰ってきたんだよ。


浩太は『ちょっと家が大変になっちゃったから抜ける』って言って了承もらったらしい。


現に、炎龍のなかでは裏切りリストに浩太は入ってないぞ。


心配するなって」


「まあ仮入すんなら隊員の許可とってからだけどね」


紗香が補足する。