「歩!」 呼ばれたほうに目を向ける。 「紗香??この学校だったんだ!」 立花紗香(たちばなさやか)、私の右腕で、龍隊幹部。 またの名、「竜香」。 「歩、ナチュラルにメイクしてるでしょ?」 「あ、うん。千沙さんがやってくれた」 「すっぴんじゃ龍姫ってばれるからね!」 小声でこそっと紗香が言う。 「あ、あの、男たち大丈夫か?」 「ああ、あんたはいいのよ。 それより」 さらに声を潜めて、紗香が耳元に口を寄せてきていった。