全くの闇ではないけれど

もうすぐチカチカと点滅を始めそうな

オレンジ色の電球が一つだけ

窓の近くにぶら下がっている。


カオル君はまたエヘヘと

ワンコみたいに笑いながら

そっと私の口から手を外した。


柔らかいのに男らしい

大きくて節くれだったカオル君の手の感触に

私は再び胸が高鳴るのを感じた。


「?

どした?だいじょぶ?

オーイ」


「あ・・・・・・・・・」

叫びそうな所を優しくふさがれていた口。

なんてことだろう?

今度は言葉が出なかった。

ただ黙ってぶんぶんと、首を縦に振る私を見て

「ははっ」

カオル君はなんとも言い様がないくらい

いとしい男の子の表情で笑い、

何時間か前にキスをした私の頬を柔くつまんだ。