「寝過ぎたからもう寝ねーよ。

それより俺、」

パチン☆

初めてテツ君と、目が合った。

「テツっす。こんばんは。

誰のお友達すか?セイ?」

長い髪に隠れてわからなかった。

この部屋に入って来た時のイメージとは

全く大違い。


テツ君、すごいかっこいいんだ。

いかにもモテそうな端整な顔・・・


「えーと・・・・・・あの、」

「オーイ!マキちゃん!!」

くいくい。くいくい。


セイちゃんの呼びかけと、

呆けた私の服の裾を

沙織ちゃんが引っ張ってくれた瞬間

私はハッと、我に返った。


「あ!

ボーっとしてごめんなさい!!

・・・あの、えっと私、カオル君に

そこの公園で一人で酔っ払ってたとこを

保護してもらった者で・・・・・・・・・」


「・・・・・・ぶっ!!!」


イケメン、吹きだした。

セイちゃんも、沙織ちゃんも。


またまた盛大に笑われながら

私はこのアパートへ辿りついた経緯を

とほほほ、と情けない気分になりながら

説明するはめになった。