涙を流し始めた私の横顔をじっと見つめたまま 沙織ちゃんは動かなかった。 セイちゃんのハサミも、動きが止まった。 「あれ?終わったん?」 そう言いながら目をあげたテツ君も。 みんな時が止まったかのように動かず そして一言も何も言わなかった。 私はそんなみんなに申し訳がなくて 必死に泣くのを止めようとしたが どうしようもなくそれが出来なかった。 沈黙。 私が鼻をすする音と僅かに漏れる嗚咽だけで 張り詰めた部屋。