この嵐のような有様の部屋は

彼の部屋ではなく、

「薫」という男の子の

部屋なのだと言った。

「ここはいつもこんなんだよ。

俺の部屋はいくらなんでも

ここまで酷くない」

「・・・えと・・・あなたの部屋は

どこにあるの?」

「この部屋の、隣の隣」

「あ、ここってアパートなの?

・・・だけど、どうしてカオル君の部屋に

ユーイチ君がいるの?」

なんだか申し訳ないくらいに

私はどんどんユーイチ君に

質問を投げかけた。

けれども彼は別段不愉快そうでもなく

私の質問に親切に答えてくれた。