さらにCD、DVD、

丸めた靴下、煙草の空き箱、

ハンガー、リモコン、

なぜか味の素の瓶・・・
きりがない。


とにかく様々なもの達が
無秩序に散乱している。


私はまだズキズキと痛む
頭の中で

必死に記憶を辿ろうとした。


ここはどこ?

この男の子は誰?

そういえば昨夜一緒にいたはずの
有美子は?

なんだって私、こんな所に?

なんて事だ。なんだよこりゃ。


ぐるぐるぐるぐる
色んな事を考えていると、

ふいに眼鏡の彼が
私の隣にやって来てしゃがみ込んだ。


そして、

「薫なら、もうじき戻ってくるから」

謎の言葉を口にした。

冷たく見えたその表情とは
うって変わった、優しい音色の声。