彼の、私を捉えて動かない視線に 耐え切れなくなった私は 先に視線を逸らしてしまった。 そして改めて部屋を見渡し、 思わず目を見張った。 一言で言えば、すごい。 ものすごい部屋だ。 私が座っている布団と つい今しがた彼が座っていた 小型テレビの前以外の床が 全然見えない。 雑誌の山、空き缶や ペットボトルの山、 シャツやパンツや下着の山に 完全に埋め尽くされている。