人影は私の声に反応して
わずかに振り向いた。


そのとたん人影の向こうに
ちらちらと光る明かりが見えた。


その明かりの中ぼんやりと
人影の輪郭が浮かび上がる。


こちらをじっと向いている
その男の子の顔に
見覚えはなかった。


目を、凝らしてみる。


やはりわからない。


眼鏡をかけているのは
なんとなくわかる。


表情は、全くわからない。


「誰・・・?」