声が、掠れている。 ものすごく喉が 渇いている事に気づく。 私が今まで寝ていた 見覚えのない布団。 その足元辺り、背中を向けて 座っている人影がある。 部屋は(どこの部屋だろう?) 薄暗く、それが誰であるのか さっぱりわからない。 なのに私の口は当たり前のように ごく自然に 祐介の名を呼んでいた。