ヨロヨロのセイちゃんに無理やりお水を飲ませて

彼女の部屋に連れて行く。

自分のことは棚に上げて、落っこちてこないように

頑丈にガムテで止めてから私は思う。

「酔っ払いって、ほんとタチ悪いよなぁ…」

階段、一段ずつズルズルとセイちゃんを引きずるようにして上っていくと

昨夜『サファリパーク』と化していたユーイチ君の部屋のドアが開いた。

「…!」

沙織ちゃん。

「あ、おはよ沙織ちゃん!ちょっと手ー貸して~セイちゃん重い!」

「おもくないもーん…セイおもくないぃぃ…」

いや、脱力してる人間ってのは重たいんだよ、セイちゃん。

沙織ちゃんは部屋の中に一度戻り、テツ君を連れてきた。

そこで私はようやくタッチ。

テツ君に抱えられて「セイ一人で歩けるもーん!」と騒ぐ彼女を部屋に

連れていった。そして、ユーイチ君の部屋で一息ついていた私を見て

「あれ?マキちゃん昨日いつ来たの?」

と目を丸くした。

「…泣き上戸イケメンめ…」

ぼそりつぶやく私に

「え?なんて?」

だと。全く。どいつもこいつも、ってやつだわ。