「帰ればって言ったの、祐介じゃん」


「だってさぁ」


「何よ」


言いながら私は、テレパシーを送るように
彼をじっと見つめた。


こっち向け、こっち向いて、こっち向けよ、
せめて最後に。


やがて、私のテレパシーが届いたらしい。


雑誌を投げ出すと祐介はゆっくり起き上がり、
私を見る。


「はぁ・・・」


そして大きなため息をつき、つぶやいた。


「だって、本当に俺のせいなの?」


「さよなら」


その一言でもう十分。


もう二度と、会わない。