唇を唇でふさいだ瞬間、

愛しいワンコは夜空にUFOを

見つけたみたいに

私とのキスに黙って集中し始めた。


「んっ…」


息ができないくらい、長いキス。


『カオル、さびしいんだなって

セイは思う』


唇を、少し乱暴にこじあけて

舌が入って来る。


いつのまにか四本の腕は

互いを閉じ込めあっている。


『カオルね、ちょっと精神患ってて』


セイちゃんの言葉が、ランダムに頭をかすめる。



『・・・でも、好きになったら

たぶん泣いちゃうよ』