『好きになったらダメ』

そう意識した時点で

それはもう恋なんだ。


わかっては、いる。

だけど・・・・・・


「真希ちゃん、俺のこと好きになって?」


カオル君の指先と私の髪は

ほんの少しだけ掠るように

触れ合っている。


今の私達と同じくらい

まだまだ遠くて、けれども。

すぐにでも繋がることが出来る距離。


からめとられたのは髪だけじゃない。


「・・・カオル君のこと、

私はまだ全然知らないんだよ?」


心もとっくにからめとられている。


「それは・・・俺だって同じだよ」