Side(羚)
白、黒をバックにした撮影が終わり、個人撮影になった。
私は、一番最後だから近くの椅子に座り待機している。
はぁ、一人で撮るなんて本当にできるのかな…。
すっごく不安だよ。
今は、流哉が撮影をしている。
私はこの次…。
「はぁ…」
「ため息なんてついて、どうしたの?」
「あっ、雛太…」
「一人で撮るの不安?」
えぇぇ、な、なんでわかるの?
私、声に出してないよね?
「そんな顔して、図星か」
「い、いや、まあ…」
「大丈夫」
「…っえ?」
大丈夫?
そんなわけないじゃん!!
「羚、さっき笑えてたでしょ?」
「う、うん」
でもそれは、みんながいたからで…。
一人だとすっごく怖いよ。
