一通り今日のスケジュールを聞いた後、楽屋へと向かった。



中に入ると、これまたきれいに並べられた衣装や壁に沿ってある大きな鏡など、すべてが新鮮で一人ではしゃいでいた。



「うわー、本当に芸能人みたい…」



「羚はもう芸能人だよ?」



隣にいた諷馬がニコッと笑った。



あっ、もう私一般のごく普通の女の子じゃないんだ。



私がSky、つまり芸能人になってもう2か月も経つんだ…。



そう考えると、なんだか唯那達に会いたくなるなぁ。



「おい、羚!早く着替えろ!!」



「えっ…。あ!はい!!」



いけない、今日は大事なPV撮影なんだ!



集中しなくちゃ!!



私の衣装は灰色のショートパンツに白の半袖のシャツ、その上に灰色のベストそして銀の蝶ネクタイだ。



他のメンバーはみんな長ズボンだが、私だけショートパンツ。



スタイリストさんいわく、カッコ可愛いをイメージしたという。



私はスカートが嫌いだから丁度よかった。



更衣室から出て、今度はヘアメイクだ。



スタイリストさんにカッコ可愛くしてもらった。



人生初のメイク…。



「これ、本当に…私?」



化粧って本当に変わるんだね。



こんな私、見たことない…。



変…じゃない、かな?



「お前、何ちゅう顔してんの?」



「えっ?」



後ろから鏡をのぞきながら私を見る流哉。



「可愛い顔が台無しだな」



そういいフッと笑った。