「ミライ…。」 ミライが治療室から出てきた。 頭には包帯がぐるぐると巻いてある。 「ミライ!ミライ!」 返事がない。 それどころか、目も開けてくれない。 「ミライ…。ごめんな。 守ってやれなくてごめん…。」 頼むから目を開けてくれよ…。 「…渡辺裕也さんですね?」 「はい…。」 「春日井ミライさんについてお話があります。」 医者の真剣な目。 俺から目を反らす看護師。 目を開けないミライ。 嫌になるほど予想できてしまうこれから…。 「はい…。」