ここまでの放心状態に我ながら驚いた。



「帰ろう…」



ポツリ



ゆめが待ってる。



「佐倉くーん!」



なんか呼ばれてる…



そっちへ顔を向けると、彼女がいた。



…こんなに人がいる中で…



イラッ



「ちょっと来て」



素早く彼女の手を取って足早に歩き出す。