秘密の場所から家は近い。
学校は遠いけど…
学校から走った俺の体力の凄さ……ハハハ。
あっという間にゆめの家の前。
帰り道はお互い無言だった。
なんか会話は不要に思えた。
ただ、手だけはしっかり握っていた。
「じゃ…ゆめ、おやすみ」
「うん…おやすみなさい」
いつものセリフを言って、すぐそこにある自分の家に向かう
のに、今日は離れたくなくて
絡めた指を離れる寸前で握っていた。
「まき?」
「ちょっと、あとちょっとだけ…」
「っ!」
チュッ
触れるだけのキス。
おやすみのキス。
大好きと、それ以上の感情を込めたキスをした。

