少し恐い気がして、ゆめから目をそらした。 そして、耳を澄ませた。 鈴虫の歌に合わせて、ガードレールの向こう側にある小川が、メロディーを流しているみたいだ。 遠くの道路から車の走る音が聞こえる。 ここは田舎だから、日が落ちた今は、交通量がないに等しい。 「つまり…私のことで悩んでくれてたの?」 不意にゆめが口を開いた。