「もうアピールタイムは終わっていますので、一言だけいただきたいと思います。」
悲鳴も叫びもフッ…と止む。
そして、一番前の席に座ってる女子が言った。
「佐倉くん!なんで浅野さんと手を繋いでるの?」
確かに階段のところで繋いだまま今に至る。
「すみませんが、質問コーナーは後にあるので、その時に御願いしま「本当だ―!!」
司会者の言葉を遮って女子たちが次々に嘆き声を発し始める。
なんで…?
「まさか…」「私たちの佐倉くんだったのにー!!」「なんでー!」
…俺はゆめのものだし。
もはや野次っていうんじゃね?

