俺はバカだ。
くそだ。
くずだ。
“忘れよう”とか、一度でもゆめから目をそらしてしまった。
ゆめも…山中も…傷つけてしまった。
やっと通じ合えたはずなのに…
俺は、俺が犯した罪から逃げられない。
償っても、君にできた傷を俺が癒せるのか…?
―――いっそ、離れてしまった方が―――
「まき…」
はっと、ゆめの声で気がついた。
「まきなんて…大っ嫌いっ!!!」
「ゆめ!」
一瞬見えた君の泣き顔
今までで一番、苦しそうで…
俺の頭に焼き付いた。
顔を隠すようにうつむきながら、ゆめは走って昇降口を出た。
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