「まき?」 ゆめを離すと、両腕を伸ばして靴箱と自分の間にゆめを閉じこめた。 「え?何?」 あたふたするゆめ。 「何って…キスしようと思って」 真っ直ぐにその潤んだ瞳を見つめる。 ピタッと固まる君は、本当に可愛い。 「そんなに身構えなくても…目、閉じて?」 頬をりんごみたいに染めながら、そっと瞳が隠されて、長いまつげが露わになる。 顔を近づけて…―― 「あ」