「なんだよ。起きんの待っててやったのに。」



俺はついスネてみせる。



「待ってたの?あ…ありがとう。でも、起こしてくれても良かったよ?」



首を傾げながら微笑むゆめ。



……可愛い……



この笑顔を、俺以外のやつに見せたくない。



独り占めしたい…



「まき、どしたの?帰ろ?」



これありがとって言いながら、俺が掛けといたウィンドブレーカーを、俺の肩に掛けてくれる。



通学用のバッグを持ってすでに立っているゆめは、俺がじっとしているせいか、見つめてくる。



沈黙が流れる…