ブブッ またバイブ音。 “やだよーお先っ!” 「…あのばかっ」 本当に思い通りにならない。 あの頃は、あの時は、とても素直で毎日が穏やかで、俺はゆめばかり見てた。 ゆめの優しく微笑む姿は今はあまり見えないし、 てか俺に笑ってくれないし、 いつも毒舌で、 いきなりポロッと優しいことを言ってきたりするし、 寂しがり屋で俺が待ち合わせに遅れるとすぐすねるし、 可愛くないっちゃ可愛くない。 でも、俺は今もゆめを見てる。