プラチナブルーの夏

「ごめんな、ミズキ」
 
ほんの短い沈黙が落ちたあと、トモロウは答えた。

それだけで十分だった。
 
火薬の切なくなるような匂いが

すっかり川風に流されて消えたあと、

あたし達はほとんど何も話さずに住処に戻った。
 

その日以来、あたしはトモロウの前では極力明るくしていた。

心がけていた、と言った方が近いけれど。

トモロウにこれ以上心配をかけたくなかったから。
 
トモロウのことが好きだったから。