プラチナブルーの夏

「ミズキちゃん。お母様、その後体調はいかが?」
 
バイトの休憩中に、奥さんが突然言った。
 
あたしは何だか慌てて

「もう全然元気ですよ!ありがとうございます」
 
と答えた。

けれども、いつものおいしいアイスコーヒーの味が

一気に無くなった気がした。

「ミズキは抱え込むところがあるからな。

何かあればいつでも言えよ」
 
と、店長。
 
あれ以来、ほんとにバイト帰りに店長は、

毎回車で送ってくれるようになった。

「ありがとうございます」

でも。
 
母親との関係も。トモロウの存在も。
 
言えません、店長。奥さん。ごめんなさい。本当に。
 
せめて、一所懸命働こう、と思った。

これまで以上に頑張ろう、と。