プラチナブルーの夏

「んっじゃ、きょぉはありがとねッ♪

ミズキとおしゃべりできてマジ楽しかったよ☆」
 
ダルダルながらも駅前まで辿り着き、カナと別れる時になっても

さらに激しさを増す胸の嵐が手に負えず、

あたしはついに口に出した。

「…ねえ」

「ンッ?」

「…なんか…さっきからずっとドキドキして

苦しいんだけど…」
 
カナはあたしの言葉に、一瞬キョトンとした後アハッ!!と笑い、

「さてはカナにホレたなぁ~???」

とあたしの肩を軽く押した。
 
そして、

「それが証拠ッ☆ドキドキするのもトキめいちゃうのも、

全部ぜんーぶ恋だってゆー証拠ッ!!!☆☆☆☆」

 

ガンバレッ!!

 
告っちゃえッ!!

 
ほんでヤっちゃえ~ッ☆!!!

 

カナはこちらを振り向いて、くるんっ!!と花のようにスカートを

ふわりと広げ、大声で三回そう叫びながら、

軽やかな足取りで改札の向こうに消えて行った。
 
あたしは暫く赤面したまま改札前に立ち尽くし、じっとカナを見送った。