プラチナブルーの夏

でも…言われてみれば確かにその通りだ。
 
トモロウは『トモロウ』。

今まではずっと特に何も疑問を持たずにそう思っていた。

トモロウは『男の人』。

そんなの今まで一度も意識した事がなかった。

『トモロウ』と『男の人』は、あたしの中では

結びついていなかっただけなんだ…。



ーーーーートモロウは『男の人』ーーーーーー



 
もう一度、頭の中でそう繰り返すと、突然、

胸の辺りで小さな嵐が起こった。


『早く出して』

『ここから出して』

 

まるでそう言っているみたいに、胸の内側を激しく打ち鳴らす。
 

あたし達はぬるくなった何杯目かのココアとコーヒーを飲み干し、

会計を済ませて店を出た。
 
冷えた体にモワッと暑苦しく絡みつく空気の中に放り出され、

足を交互に前へ前へと進める事さえダルかった。