プラチナブルーの夏

「えー?それってば、かんぺきに恋じゃんっ☆」
 
あたしの知らない初めてのこの感情に、

あっさりとカナは名前をつけた。
 
いっぱいいっぱいな自分の状況や心情。
 
そしてやはり『友達なんていらない』という気持ちが

強かったのが一番の理由で、結局一度偶然会ってからも

数回届いたカナからのメールをあたしは全てスルーしてしまっていた。
 

けれど、トモロウに対するこの気持ち。
 
日に日に大きく膨らんでいく、この気持ちを。

「ミズキ」
 
あたしは年下でイソウローのくせに

トモロウを呼び捨てにしてるんだから、トモロウも

あたしの名前、ちゃん付けしなくていいよ。
 
そう言った後に初めて名前を呼び捨てられた時の、

あの浮遊感と幸福感を。
 
ー誰かに聞いてほしい。
 
そう思った。
 
トモロウの隣りにる時もトモロウがいない一日も

片時も離れない、紛らわすことができない。
 
甘いキャンディーと酸っぱいキャンディーとシュワシュワ、

舌の上で泡立つラムネのキャンディーを順番になめているような

トモロウへの気持ち。
 
自分一人では、それをとても抱えきれなくなってしまっていたあたしは、

『カナだよん!今日とか会えない?お茶しよーよ~(≧∇≦)/』
 
数回目に届いたカナのメールに、気がつけば即行でOKの返信をしていた。