プラチナブルーの夏

じゃ、もうそろそろ寝よっか。
 
そう言いながらトモロウは、私にタオルケットと

いつも彼が使っているのであろう枕を貸してくれた。

「…てか、これあたし使っちゃったらトモロウの分がないじゃん」

「いあ、俺は外で寝るの慣れてるから平気だよ。

どこでもいつでもすぐ寝れる体になってるから。

雨にも打たれて慣れないとこで寝てミズキちゃんに

風邪とかひかせたくないし」

 
ケロッと答えた。
 
ケロッとした顔。

 
それを見た時、あたしが彼に対し、少なからず抱いていた

(抱かなくては、と思っていた)警戒心や猜疑心が一気に解けて

無くなった。

 
そして、もう一つ。
 
なぜだろう?


「どうして彼は路上生活を送っているのか」

 
その本当の答えが、どうしようもなく知りたくなって来た。
 
知りたいと思った最初の動機は「単なる興味本位」だけだったのに。



「ーあたしはそれを知らなくてはいけないんだー」

 

理由は思いつかなかったけれど、ただただ強くそう感じた。