プラチナブルーの夏

ボタボタと雨は激しく唸り、あたしの体を打つ。
 
通行人のほとんどが、突然の夕立にパニくって

駆け足で行き交う。
 
一方、全身ドロドロまみれだったあたしにとっては、

グッドタイミング。
 
クールダウンの、恵みのシャワーだ。
 
無心になってチャリを走らせていたら、ボロっちいチャリで

こちらへ走ってくる人がいた。
 
雨に煙り、微かにしか見えないけれど、あれは……トモロウ。
 
間違いない、トモロウだ!!

「トモロウ!!」
 

ゴゴゴゴゴゴゴゴ…ド・ドドン!!!!!
 

雷の轟く音とギザギザに空を割る光の間隔が、

さっきまでよりも近づいて来ている。

「トーモーロォーーー!!!」
 
あたしがもう一度名を叫ぶと、やっとトモロウはあたしに気づいた。
 
至近距離まで近づいて、あたし達はチャリを止めた。

「「どうしたの?」」
 
互いの声が重なる。
 
あたしはもう、自分の心が笑っているのか

泣いているのかもわからなかったけれど、

この三度目の偶然をただただ喜んでいた。