バイト先の開店時間の一時間ほど前に現れた、
眼帯をして物々しいくらい包帯だらけになったあたしを見た店長夫妻は
「どうした!?」
「どうしたの!?」
と声を揃えて驚いた。
店長が淹れてくれたアイスティーを飲みながら、カウンターに座り、
少しずつ昨夜の話をした。
時折り言葉に詰まるあたしを促したりも、質問もせず、店長と奥さんは根気よく
じっと耳を傾けてくれた。
「かわいそうに…怖かったでしょう…でも、お友達が来てくれて本当に良かったわね」
トモロウの事は、なんと説明していいかわからなかったから
『偶然居合わせた学校の男友達』という事にしておいた。
「ほんとに警察に、行かなくていいのか」
顔を悲痛そうに歪めて、店長が言った。
「はい。なんか…もう、色々聞かれたりするのが嫌だったし…
今以上傷つきたくなかったし」
「そうか…うん…そうだよな」
噛みしめるように頷いた。
「ゆっくり休んで治すのよ、ミズキちゃん。
店の事は気にしないで、ね?」
「仕事復帰した後は、帰り毎回車で送るからな。絶対電車で来い」
「ありがとうございます…」
二人の暖かい言葉に、また涙が溢れそうになった。
身体のあちこちの痛みが、すうっと癒されていくようだ。
「ミズキちゃん、お母様の病院にはこれから行くの?まだ、ご存知でないんでしょう?」
奥さんの言葉に、今度はきゅっと胃が痛くなった。そうだ。
あたしは母親の所に、行かなければならない。
「…はい」
しかももうすぐ退院してくる。この傷だらけの身体を見て、母親は一体なんと言うだろう?
大して気にもかけず、昨日あたしが病院に来なかった事に対して
きいきい文句を言うかも知れない。
眼帯をして物々しいくらい包帯だらけになったあたしを見た店長夫妻は
「どうした!?」
「どうしたの!?」
と声を揃えて驚いた。
店長が淹れてくれたアイスティーを飲みながら、カウンターに座り、
少しずつ昨夜の話をした。
時折り言葉に詰まるあたしを促したりも、質問もせず、店長と奥さんは根気よく
じっと耳を傾けてくれた。
「かわいそうに…怖かったでしょう…でも、お友達が来てくれて本当に良かったわね」
トモロウの事は、なんと説明していいかわからなかったから
『偶然居合わせた学校の男友達』という事にしておいた。
「ほんとに警察に、行かなくていいのか」
顔を悲痛そうに歪めて、店長が言った。
「はい。なんか…もう、色々聞かれたりするのが嫌だったし…
今以上傷つきたくなかったし」
「そうか…うん…そうだよな」
噛みしめるように頷いた。
「ゆっくり休んで治すのよ、ミズキちゃん。
店の事は気にしないで、ね?」
「仕事復帰した後は、帰り毎回車で送るからな。絶対電車で来い」
「ありがとうございます…」
二人の暖かい言葉に、また涙が溢れそうになった。
身体のあちこちの痛みが、すうっと癒されていくようだ。
「ミズキちゃん、お母様の病院にはこれから行くの?まだ、ご存知でないんでしょう?」
奥さんの言葉に、今度はきゅっと胃が痛くなった。そうだ。
あたしは母親の所に、行かなければならない。
「…はい」
しかももうすぐ退院してくる。この傷だらけの身体を見て、母親は一体なんと言うだろう?
大して気にもかけず、昨日あたしが病院に来なかった事に対して
きいきい文句を言うかも知れない。


