「ミズキちゃんはさ…俺とこういう事、する気になれない?」
 
…こういう事?

「それって、キスとか…エッチとかって事…?」
 
まるっきり、現実感がない。自分の発する言葉にも、ユウスケさんがとった行動にも。

「あたしは…ユウスケさんをそんな対象で見た事ないよ…だって」

さっき自分でも『俺にはリツコがいる』って、言ってたじゃない。
 
タオルケットから、Tシャツから。ほのかにリツコの香りがする。

甘酸っぱいような、赤ちゃんのような、素直で、優しい香り。

「リツコの…大切な親友の彼氏だとしか思った事がないし…

これからも、そんな気には絶対な……っ」