プラチナブルーの夏

トモロウは、自転車置き場とのラインを遮るように

作られた花壇の壁にもたれたまま、

うつむいてしゃがみ込んでいた。

「トモロウ…お待たせ」

…………?
 
反応が、ない。

「トモロウ…?どうしたの?」
 
…寝てるのかな。
 
彼の正面にしゃがみ込んで、そっと肩に手をかけた。

その時、トモロウの体が小刻みに震えている事に気づいた。

「………トモロウ!?どうしたの?トモロウ!!」
 
ほんの少し顔を上げたトモロウは、泣いていた。
 
ドロまみれの両頬に、幾筋もの小さな川を作って。
 

あたしにはなぜ彼が泣いているのかさっぱりわからなかった。

ただただ必死でその涙を指で拭い続けた。
 
そして、いつだかトモロウがあたしにしてくれたように

何も言わずに泣き終わるまで、ずっとずっと頭をなでた。