あたしは彼の何を知ってる訳じゃない。 顔と声と、ギターが好きなことくらい。 いつから好きだなんて。 わかんない。 ただ泣いてたの。 あの時。 そしたら君は歌ってた。 泣いてもいいよって。 誰もが通りすぎる中。 あたしだけが立ち止まる。 その歌があたしのためでなくていい。 だから今だけは。