いつもの場所。 缶コーヒー。 今は全部、特別にして。 彼の演奏が終わった。 『あのっ』 彼がギターをしまいながら振り返る。 「ん?」 『これが最後なんですよね』 「…あぁ。明日東京行くんだ。 でも、もう歌わない。」 『え?』 「バンドのギタリストなんだ、俺」 ほんとにあたし、何も知らなかったんだ。 でも、言わなくちゃ。 今すぐ。 ちゃんと言わなきゃ。 『そうなんですか』 「うん。ま、ギターが本職だしな。」 彼が笑った。 胸がきゅんとした。 『あの…あたし…っ』