不安ではない。
妙な焦りと少しの自信。
なにより一番は「楽しみ」だ。
身長だって伸びた。
大和ほどではないけど、日本人男子にしては大きい方だと思う。
…早く、先輩に会いたい。
「日向さぁ、本当にお前は桜のこと好きだよな。」
「好きだよ。
……でも、今はそうゆう好きじゃない。
先輩には幸せになってもらいたいから。
それができるのは大和だけなんだよ。」
そう、気づいた。
俺には桜先輩を幸せにはできない。
だから、友達として、先輩が好き。
友達として先輩を見守っていたい。
俺はそう思えるくらいには成長した。
「とーちゃーく!うわっ久々の家で俺、ドキドキだわ。」
「お邪魔しまーす。」
「ちょっ!なんでお前が先入ってんだよ!」
「いらっしゃーい。あら、日向くん?大きくなったわねぇ!それに夏輝も、おかえりなさい。」
「あ、うん……ただいま。」
玄関で若干項垂れてる夏輝をおいてリビングに入る。
先輩は今日はいないらしい。
お母さんに聞いたら、どうやら大和と出かけてるんだって。
相変わらずラブラブ。
大和もバスケ休んでさ・・・・なにしてんだか。
でも先輩を泣かせてないならそれでいい。
泣かせた瞬間に俺が奪ってやるんだから。


