君に届かないI・LOVE・YOU










そして、有言実行な夏輝に連れられ、飛行機に乗ること、約9時間。


約5年ぶりくらいの日本に着いた。




「おーい、日向。迷うなよ。」



「さすがに、そんなバカじゃない。」



「なんでそんなつんけんしてんだよ。もっと楽しもーぜ。」



「早く夏輝の家行こ。」




「あんまりお兄様をいじめないで。」





無駄にうるさい夏輝を放ってバスターミナルに向かう。



空港の外はもうオレンジ色の夕焼けで。

いつか、桜先輩と見た空に似ていた。




もう、5年だ。

初めて人を好きになったわけじゃないけど

本気で好きだった。


……失恋して5年。



やっぱり時間が流れるのは早い。

あ、別に大和を恨んでるわけじゃないよ。


あの二人は絶対くっつく運命だったんだろうから。



俺にはきっと、もっといい人が現れるはず。




「日向、お兄様を置いてくと家、行けないぞ?」



「最近ってさ、便利だよねー。

金払って行き先伝えれば連れてってくれる便利な車が走ってるんだよ?」



「………ごめん、お兄様が悪かったからさ。一緒に家行こう。」



「そこまで言うなら仕方ない。ついてってあげる。」



茶色の髪の毛を軽く弄る。


桜先輩にまた会えるだろうか。

5年前より成長した俺の姿を見てどう思うだろうか。