「夏輝、つまらないんだけど。
大和は帰っちゃうしさー、桜先輩には会えないし。」
せっかくの夏休みだって言うのに
何が悲しくて夏輝と一緒にいなきゃなんないんだ。
これじゃあ大和を連れてきた意味がないじゃないか。
俺は夏輝と暮らしてる部屋のリビングで
1人ふて腐れていた。
20歳、夏。
大和が夏休みと称して日本に帰ってから1週間がたった。
「そうあからさまに落ち込むなよ。
お兄様がいるだろ?」
本気でそう思ってそうな夏輝のどや顔。
ーームカつく。
「夏輝が兄さんなんて嫌だね。
どうせなら大和がいい。」
夏輝はバカっぽいもん。
…実際バカだけど。


