「先輩、本当は分かってるでしょ?
桜先輩がどうゆう存在か。」
「…俺、優衣亜待たせてるから。」
この期に及んで、大っ嫌いなあいつを理由にするのは最低だと思うけど、今はこいつの前からいなくなりたかった。
昇降口まで戻って、優衣亜と帰る。
あんだけ嫌だった腕に巻きつかれた手を振り払うことなく、家までつく。
桜が俺にとってどうゆう存在か。
そんなの最初からわかりきってた。
ずっとわかってた。
けど、いつからか、それを隠すことに慣れて、
そしたら、いつの間にか俺のその気持ちは、「幼馴染み」と言う肩書に飲まれて消えていた。


