誰よりもあいつのことを近くで見守ってきて、
誰よりもあいつのことを知ってる。
今年こっちに来たばかりの日向になんか負けないくらい、あいつのことを…
「最初に、挑発してきたのはお前だろ?」
俺は静かな声でそう呟いた。
そうだ、最初に「桜先輩は俺がもらいます」って言ってきたのはあいつ。
むしゃくしゃしてた時に、優衣亜が「少しでいいから」って言ってきた。
さらに言えば、「マネージャーさんとお似合いですよ」って最後まで挑発してきたのも日向だった。
当然、優衣亜と付き合った俺がいけないのだけれど。
それでも俺のせいだけじゃない。
ふざけるな、と今にも殴りたくなる衝動を抑えて、俺は…


