けど、俺は雨は嫌いじゃない。 雨の後の夜空はめっちゃ綺麗に星が出るんだぜ? 本当嫌ってくらい、まぶしく光る星。 それを見つけたのは、小3くらいのこと。 懐かしさの余韻に浸るまでもなく、別の言葉が俺の耳に入ってくる。 「あのね、伊織。雨が降った後の夜空は、綺麗に星が出るんだって。 それを想像するとさ、雨でも良いって思わない?」 それは紛れもなく桜の声だった。 俺は思わず目を見開く。 同じことを思ってたことにじゃない。 桜があの話を覚えてることに、驚きが隠せなかった。