大和SIDE
本当に嫌いだったのは、俺のエゴか。
それともあいつのエゴか。
「大和っていつも上の空。」
「そう?」
「私といるのに違うこと考えてるみたい。」
「そうかもね。」
なんとなく頭の中はいつも桜と日向のことだ。
夏休みがあけて、修学旅行も終わって、
あの二人の距離が縮まったように見える。
俺がこんなこと言えた義理じゃないけど、なんかイライラしてくる。
「大和、何考えてるの?」
そしてこの女。佐藤優衣亜。
意外と面倒くさい。
付き合ってから初めてわかる女の本性、とでもいうんだろう。
とにかく面倒くさい。
学年の男たち、こいつはやめた方がいいぞ。
って大声で言いたいくらいに。